安楽死について~いち看護師としての思い~

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みなさん、こんにちは!あこです (^^)/

今回はザ・ノンフィクションで取り上げられた「安楽死」について

  • 医療者として「安楽死」についてどう思う?
  • 日本ではなぜ認められていないの?
  • 認められている国ではどのような考え方なの?
  • どんな風に最期までの時間を過ごすの?
  • 認められている国、費用

などについてご紹介していきたいと思います。

※この記事の内容につきましては、私の個人的な見解のため、その辺りはご了承下さい。また、看護師としての個人の経験からの記事です。

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看護師が医療者として考える「安楽死」

その前にまず「安楽死」とは

  • 健全な判断能力を有する患者の明確な意思が前提のもと
  • 死期が切迫し、回復の見込みがない
  • 耐え難い激しい苦痛や障害がある
  • 代替治療がない

これらいくつかの条件下において、医師から処方された致死薬を患者本人が体内に取り込んで死亡する行為自殺ほう助)、または医療者が患者に致死薬などを投与して死亡させる行為積極的安楽死

他にも厳しい条件がいくつかあります

今まで、日本人を含め3人ほどの安楽死(自殺ほう助)の場面を映像として拝見させていただいたことがありますが、どの人たちも一様に穏やかな表情で、愛する家族や友人らに囲まれ、自分で致死薬を体の中に入れる行為にも躊躇がなかったのが印象的でした。

私は医療の現場で、耐え難い痛みや耐え難い呼吸苦に苦しむ患者さんを今まで何度も看てきています

もちろんある程度は薬剤などでコントロールが出来ますが、効きにくい人がいるのも実際でして、家族がその薬剤の使用を許さないパターンなどもあります(意識がなくなってしまうからという理由です。)。

苦痛と言っても、よく言われる痛みや溺れてしまうのではないかと思うような呼吸苦以外にも、止まらない吐き気や嘔吐(吐くこと)自分では何も出来ないほどの強いだるさ体がパンパンになってしまうほどのむくみや体液貯留(腹水や胸水など)などコントロールの難しい様々な症状が癌の末期の患者さんには待っています。

難病を抱える患者さんたちについても、どんどん自分の体の機能が失われ自分のことが出来なくなっていくなかで、その分周りの人たちの介護負担が増えていくのを実感します。意識だけがしっかりしていたら、どんな風に思うだろう…どんなことを考えるだろう…とついお節介に考えてしまいます。

難病の患者さんたちの機能低下を防ぐ治療は未だ確立していませんが、癌末期の患者さんたちの苦痛症状については、うまくコントロール出来る時もあれば(でもゼロにはならない。)全然うまくいかないこともあります。こういった事実を知っているがゆえに、もし自分の身近な人や家族が「安楽死」を考えた時、私は安易に否定は出来ないなと思ってしまいます。

自分が当人であったら、もちろん「安楽死」の選択も視野に入るかもしれません。

ただ、この選択がそんなに簡単なことではないこともみなさんには知っておいていただきたいです。

日本においての「安楽死」

日本にはまず、「安楽死」についての法律がありません。もし医師が死に関われば自殺関与や同意殺人、嘱託殺人として罪に問われることになります。

何年か前に難病の患者さん本人から、SNSを通して依頼を受けた医師による嘱託殺人事件があったことも記憶に新しいかと思います。

こういった事件がある度に議論が巻き起こるようですが、現在でも日本では認められていないのが現実です。

安楽死に関する問題は、「人間と生命の尊厳に関わる問題であり、絶え間ない議論と検証が必要。」と言っている人もいるように、そう簡単に容認できるものではないことはおわかりいただけると思います。

ここには書ききれませんが、他人の命を奪うことに対する倫理的な側面、他にも各国の宗教や社会・文化的な面との関係社会状況の変化法への拡大解釈の危険性など、他にも議論が必要な問題点が実はたくさんあります。

こういったところの議論を重ねた上で、世界には「安楽死」が認められている国があります。

「安楽死」が認められている国

積極的安楽死と医療ほう助自殺の両方を認めている国と地域

  • コロンビア
  • オランダ
  • ベルギー
  • ルクセンブルク
  • カナダ
  • スペイン
  • ニュージーランド
  • オーストラリアの一部の州

医療ほう助自殺のみを認めている国と地域

  • スイス
  • イタリア
  • オーストリア
  • 米国の一部の州

「安楽死」が可能な国についてよく知られているのはスイスだと思いますが、外国人の安楽死を唯一認め迎い入れている国という点からでしょう。

実はスイスでは、医師ほう助自殺について特定の法律はないそうです。しかし「利己的な動機でなければ罰せられない。」という刑法の解釈に基づいて医師ほう助自殺が許容されているそうです。

そして、スイスの医師ほう助自殺で特徴的なのは、「医師や看護師が中心となる民間団体によって行われている」こと、「外国人や外国人在住者でも可能」であるというところです。

費用は、必要な滞在費なども含め数百万円ほどかかるそうです。

スイスでの安楽死

私は看護師ですし、「死」に関してはとてもデリケートなことだと思っています。

ですので敢えて具体的には書きませんが、必要な人にはネットで調べればすぐに手に出来ます。

大まかにお伝えすると、支援して下さる団体にまず登録し、必要な書類を準備して提出。その後の審査を待つという流れになるようです。

ここまでに数ヶ月を要すそうです。当日は付き添い人にサポートされ、承諾書にサインをし、その時を迎えるそうです。実際に拝見したどのケースもそのような流れでした。

そしてその瞬間は、内服薬の方もいましたし、点滴のコックを自分で開けていた方もいました。

直前で辞める方も、その過程で気持ちが変わる方ももちろんいらっしゃるそうです。その方々には必要な過程だったと思いますので、その判断でよかったと思います。

色々な考え方議論があって当たり前だと思っています。今回のこの記事で、誰もが知る権利のある情報を手にし、考え議論する機会になれば幸いです

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました <m(__)m>


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