みなさん、こんにちは!あこです (^^)/
今回は、ご家族または大切な人の看取りを自宅でと考えている方に向けて、
- どうすればいいのかわからない。
- どこに相談すればいいのか。
- どんな準備をすれば可能になるのか。
- どれぐらいの費用がかかってしまうのか。
- もし自宅で看れなくなってしまった場合はどうしたらいいのか。
といったことについて、病院でも在宅の領域でも携わってきた経験から、お役に立てる情報をご紹介していきたいと思います。
※この記事の内容につきましては、私の個人的な見解のため、その辺りはご了承下さい。また、看護師としての個人の経験からの記事です。
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在宅での看取りを考えた時
もし、ご家族や大切な人が入院中に「家に帰りたい…」もしくは担当医から「もし家に帰るのなら今が最後のチャンスです。」「もう効く治療はありません。」というようなことを言われた時、ご自宅へ「連れて帰ってあげたい。」と思っても、どうしたらいいのかさっぱりわからないという方も多いのではないかと思います。
とても自分では動けそうにないのに、どうやって連れて帰ればいいの?本当に自宅で看ていけるの?など不安も尽きないかと思います。
また、自分が最期の時まで責任を持って介護していけるのか、費用等、現実的なところも気になるところだと思います。
でも在宅療養においては、様々な制度やサービスがありますので、まずは必要な情報から集めて、それから最終的な判断でもいいと思います。
とはいえ、もう退院しなければならない等、時間に限りがある方もいるかと思いますので、退院後実際に介護をしてみたものの、やっぱり厳しい…
となった時にはどうしたらいいのかといったことについても触れていければと思っています。
ぜひ使えるものは使って介護する側も無理なく、患者さんの希望を叶えられるようにしていきたいですね!
まずは、なんと言っても患者さんの意志の再確認です。「本当に自宅に帰りたいのか?」改めて確認した方が個人的には良いのではないかと思っています。人によっては、家族とも居たいけれど、医師や看護師のいる病院の方が安心と考える人もいますので。
在宅にも訪問診療医はいますが、救急車のようにすぐに駆けつけられるわけではありません。
それから他のご家族ともどんな風に協力し合って介護をしていくのか、相談しておきましょう。協力は不可欠です。
そして、もし介護保険をまだ申請していないのであれば、すぐ申請しましょう。在宅での様々なサービスが介護保険でまかなわれるからです。
お住まいの地域の役所の高齢者福祉課で申請出来ますが、出来れば相談窓口も担っている「地域包括支援センター(もしくは高齢者相談センター)」というところにお願いすると良いと思います。
住所ごとに担当の地域包括支援センターが決まっています。ネットなどで調べればすぐにわかりますので、まずは電話で相談してみて下さい。介護保険の申請も代行してくれますし、もし足を運ぶのが難しい場合は、自宅に職員が来てくれることもあります。
介護保険は、65歳以上でなければ使えませんが、特定疾病の範囲であれば、40歳以上65歳未満の方でも利用可能です。
「がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)」
(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html
も含まれます。
※介護保険は申請から認定までに1ヶ月ほどかかりますので、申請は早ければ早いほどいいですが、認定がおりれば申請日にさかのぼって利用出来ますし、暫定で利用開始可能です。負担額は所得に応じて1~3割、40歳以上65歳未満の方特定疾病の範囲の方はすべて1割負担になります。
相談できるところ
もうすでに触れましたが、高齢者(40歳以上65歳未満の特定疾病の方も含む)の総合相談窓口として
- 地域包括支援センター
- また、入院中の病院内の「退院支援」または「地域連携」といった部署(があれば相談可能。在宅での診療医や訪問看護の紹介、すでにケアマネージャーさんが決まっているのであれば連携も図ってくる。)
- 病院内に相談部署がない場合は、ソーシャルワーカーさんがいれば相談可能
- まずは入院先の看護師、担当医、またはケアマネージャーさん(担当が決まっていれば)でもOK
こういったところに相談することで、しなければいけない準備や手続きを教えてくれます。
自宅のほうの準備は、地域包括の方やケアマネージャーさんが、必要なものが具体的に決まってくると手配してくれます。例えば介護用ベッドや車椅子、手すりなど、必要であればそういった福祉用具と言われるものなどですね。
そしてこの必要な福祉用具や、必要な医療機器(例えば酸素吸入や吸引、食べられないため高カロリー輸液や、痛み止めの点滴を持続的に医療用ポンプで投与しているなど)類の詳細や、どんなケアを今病院でしていて、退院後も必要なのかなどを病院側と家族と在宅側で共有し合うのが、「退院前カンファレンス」という話し合いの場です。
だいたい、入院先の病院で退院日の目処が立った頃に開催されます。ここで、ご家族のみなさんも不安なことや心配なこと、確認しておきたいことがあれば確認しておきましょう。
実際にかかる費用はどれぐらい?
まず、訪問診療は医療保険になりますので、年齢に応じた負担額になるかと思います。通院に比べるとかなり高額になり驚かれる方もいますが、1割負担の方で1ヶ月に2回訪問してもらい、処方などもして貰うとだいたい7000~8000円ほどかかります。3割の方はこの金額に×3です。
訪問看護については、病名や病状によって介護保険なのか医療保険適応になるのかが決まりますので、それによって変わってきます。かなり複雑なので、ここでは詳細な金額は避けます。
また、介護保険も先述したように所得で負担額が決まりますし、「支給限度額」が決まっており、これは介護度によって変わります。介護度が重い人の方が支給限度額が大きくなる仕組みです。
一般的には入院費よりも在宅療養の方が費用がかからないと言われていますが、これは患者さんの状態や状況によるので、一概には言いきれません。
難病指定を受けていたりすると、医療費の自己負担が控除される場合もありますし、本当にケースバイケースです。但し、医療費の自己負担額は上限額が決まっていますので、それを越える場合は後々戻ってくるか、限度額適用認定証を持っていれば上限額を越える支払いは不要になります(※今はマイナンバーカードで全てまかなえたりもするようです。)。
また、訪問診療や訪問看護、訪問介護などの利用頻度にもよります。必ず契約時によく確認しましょう。ケアマネージャーさんに確認すると、介護保険利用でのものについては、ひと月どれぐらいかかるかは概算を出してくれると思います。
在宅に帰ってきたものの、介護に限界を感じた時は…
思っていた以上に介護期間が長くなってしまった。辛そうな本人を見ているのが辛い。介護する側も治療が必要になった。など理由は様々だと思いますが、どうしてもこういった状況が避けられない時があるかと思います。
ではどうすればいいのか?
念のため、事前に準備をしておくことをお勧めします。例えば患者さんが癌の末期という場合、緩和ケア病棟やホスピスと言われる療養先があります。※但し本人への告知は必須です。
こういったところはすぐに入れるわけではありません。事前に登録し待機状態にしておくと、いざという時に入れて貰えることがあります。もちろん、その時の空床状況や他にも待機している重症度の高い患者さんがいたりすると、少し待つことにはなりますが、登録していないよりは優先されます。
登録するには担当医の紹介状と画像検査のデータが必要になりますので、入院中に担当医に依頼しておきましょう。
そして、どこの緩和ケア病棟やホスピスを選ぶのか、家からの近さや病院側がすすめるところなどを見学に行ってもいいですし、面談予約を何ヵ所かとって行って話を聞いてみるのも良いかと思います。
本人も出来れば一緒に面談に行けるといいですが、家族だけの面談でも大丈夫です。
または、元々入院していた病棟に再度何かあった時には受け入れてもらえるか、退院前カンファレンスの時などに病院側の担当医に確認をしておくのもよいかと思います。
もうひとつは、訪問診療先でレスパイト入院といって、介護者の休養を目的に入院させてくれる入院先を探してもらうという方法もあります。
但し、どれもすぐには難しいので、ギリギリまで頑張り過ぎないよう、早めに助けを求めることも大事なことです。
最後に
自宅での看取りを決めたからといって、必ずしも最期までそうしなければいけないわけではありません。患者さんも自宅に帰りたいけど、家族に大きな負担をかけることをとても心配されている方が多いのが実際です。
使える社会資源は大いに使って、時には誰かに頼んで外出するなど、それぐらいの気持ちでいてほしいなと思います。日本人は無理をして頑張り過ぎてしまう方がとても多いのです。共倒れしてしまったら、もともこうもありません。
困っている方の少しでもお役に立てれば幸いです。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました <m(__)m>
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