みなさん、こんにちは!あこです (^^)/
この時期、勤務に行くだけで精一杯な新人看護師さん。独り立ちやら夜勤やら、課題も次々増えていきます。
なかなかそっちのけになりがちな検査データ。でもとても大事な情報でもあります。
少しでもお役に立てれば幸いです。
※この記事の内容につきましては、私の個人的な見解のため、その辺りはご了承下さい。また、看護師としての個人の経験からの記事です。
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- 感染症を疑う時に見る血液データ
- 先生が採血指示でよく言う「血算、生化、血糖」
- ややこしい凝固・線溶系検査
- 腎機能はどこを見る?
- 心機能はどこを見る?
- よく耳にする低ナトリウム血症
- この季節に増加する熱中症
■感染症を疑う時に見る血液データ
▶CRP(C反応性蛋白)とWBC(白血球数)
- CRPは細菌感染では上昇するが、ウイルス感染では細菌感染ほど上がらない。
- 抗菌薬の適応の識別(細菌感染のみ適応あり)。
- 同時に測定することで細菌感染の発症時期が推定出来る。
- 細菌感染ではWBCの方が早期に上昇し、CRPの方が遅れて上昇するため、WBCのみ高値であれば発症初期、両方高値になっていれば極期、CRPのみ高値であれば後期だと推定することが出来る。
※但し、白血球の種類で大事な情報も得られるよ。
- 好中球(白血球の半数以上を占める):細菌に対して貧食・殺菌作用がある
- リンパ球:ウイルスに対して抗体を産生して攻撃
- 単球:異物や体内の細胞を貧食
- 好酸球:アレルギー反応や寄生虫感染で増加
- 好塩基球:蕁麻疹や慢性骨髄性白血病で増加
■先生が採血指示でよく言う「血算、生化、血糖」
▶血算(代表的な5種)
▶生化
正しくは生化学検査
血液や尿の中に含まれる蛋白質や糖、電解質、酵素などを測り(ホルモンや腫瘍マーカーも測定出来る)、
- 体内に異常がないかどうか?
- どの部分の疾患なのか?
- 炎症があるのか?
- 栄養状態はどうか?
肝臓、腎臓、膵臓、心臓など各種臓器の病気の診断、進行程度、治療効果などを判定する検査。前項でも出てきたCRPもこの検査に含まれる。
▶血糖
- 血糖値
- HbA1c:血液中の糖がヘモグロビンとくっついた糖化ヘモグロビンの割合。低ければ血糖が低い状態が続いた、逆に高ければ血糖が高い状態が続いたことを示す。過去1~2ヶ月の血糖を反映。
■ややこしい凝固・線溶系検査
出血傾向、また血栓傾向の患者さんの原因検索のための検査。血友病などの先天性の凝固因子欠乏症やDIC(藩種性血管内凝固症候群)の診断・治療、抗凝固薬治療のモニタリングに使われる検査。
▶凝固(出血を止めるために血液を凝固させる作用)
- PT(プロトロンビン時間):止血機能を見る検査。経口抗凝固療法(ワーファリンなど)の指標になる。 肝臓で作られるため肝臓の機能が低下すると延長。 (PT-INRは国際標準化比で、経口抗凝固療法時のモニターとして使用)。
- APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間):PTと一緒に測定することにより、止血機能の異常がどこにあるかが、おおよそわかる。
- FDP(フィブリンノゲン・フィブリン分解産物):止血作用に欠かせない働きをするタンパク質。低下すると出血しやすくなり、高度に増加すると血栓傾向が発生。 肝臓で作られるので、肝硬変などの肝障害で低下。また、感染症など炎症疾患で増加する。
▶線溶(凝固系により固まった血栓を溶かし分解する作用)
- Dダイマー:DIC、大動脈瘤、深部静脈血栓症などの血栓性疾患の早期診断に有用。 Dダイマーの増加は血管内に血栓が存在することを強く示唆。 低値である時は、深部静脈血栓症の潜在を否定する指標になる。また、手術後は高値を示す。
※血小板については割愛
■腎機能はどこを見る?
- 血清クレアチニン(Cr):筋肉を動かす時のエネルギーを使った時に出る老廃物
- 血中尿素窒素(BUN):タンパク質の代謝で出る老廃物
どちらも腎臓で濾過しきれないと値が上昇し、腎機能に問題があると判断される。
※慢性的な場合はもっとチェックする項目ありますが今回は割愛 (^人^)
■心機能はどこを見る?
- BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)
- NT-proBNP(N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド)
どちらも心臓に負荷がかかると多く分泌されるホルモンであるが、NT-proBNPの方は生化のスピッツで測定出来るため、採血量が減り、患者さんへの負担が減るのと腎機能が反映される。
★よく耳にする低ナトリウム血症
高齢者は体内の塩分調節機能が低下するため、塩分不足にも注意が必要です。かわいそうですが、毎食後に塩化ナトリウム10gとか処方されている患者さんがたまにいらっしゃいますよね💦
この低ナトリウム血症の原因は様々ですが、症状は脳の機能障害によって起こるため、高齢者ではよく最近食事量が低下してきた、反応がなんとなく鈍い、傾眠がちなどといった症状がみられた時、特に他に考えられる原因がない場合は、まず疑い医師に報告してみるといいと思います。
★この季節に増加する熱中症
熱中症を診断する特別な検査はありませんが、問診で発症までの経過や環境の確認とともに、脱水症状の有無などを診察、必要に応じて血液検査、尿検査などで確認します。
ご想像通り、たくさんの発汗で水分と塩分が失われているので、脱水時にみられる水分不足によるクレアチニン、尿素窒素値の上昇、塩分不足による低ナトリウム、血液濃縮によるヘマトクリット値の上昇がみられます。
☆おまけ
パニック値とは:「生命が危ぶまれるほど危険な状態にあることを示唆する異常値」と定義されています。また、直ちに治療を開始すれば救命しうる状態であるため、ただちに検査室より担当医に報告されます。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました <m(__)m>
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