みなさん、こんにちは!あこです (^^)/
今回は、病棟にいると知ってはいるけどなかなか出会わない「エピペン」について。
病棟で「エピ」と言えば急変時の「エピネフリン(ボスミンと同じ)」ですよね。
「エピペン」に関しては、ご本人が持っている場合以外は、医療者でも意外と実物を知らない人、多いのではないかなと思っていますがどうでしょうか?
実は私自身、「エピペン」について知識はあったものの、実際に見たり手にしたことがありませんでした。
ある時、医師が集まった会食の際に、そのなかの医師にアレルギー症状が出現し、本人が持っていたエピペンを他の医師が使用して対処したというエピソードを聞き、日常でもしかしたら同じような状況に遭遇することもあるかもしれないと、その時は思っていたのですが、すっかり忘れていました💦
その数年後、たまたま山のガイドさんが持たされているという話を聞き、これまた見せてもらえる機会があったので、実際に手にすることが出来ました。
「なぜ山のガイドさんが?」勘の良い方はもうお気づきだと思いますが…
ではご紹介していきたいと思います。
※この記事の内容につきましては、私の個人的な見解のため、その辺りはご了承下さい。また、看護師としての個人の経験からの記事です。
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- エピペンとはなにか
- エピペンを携帯する生活
- エピペン禁忌事項と使用上の注意点
- 医療者として
エピペンとはなにか
エピペンとは
エピペンは、アナフィラキシーがあらわれたときに使用し、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤(アドレナリン自己注射薬)です。
あくまでも補助治療剤なので、アナフィラキシーを根本的に治療するものではありません。エピペン注射後は直ちに医師による診療を受ける必要があります。引用元:アナフィラキシー補助治療剤 エピペン 「エピペンについて エピペンとは」より
エピペンは、ハチ刺傷、食物アレルギーなどによるアナフィラキシーの緊急補助治療に使用され、アナフィラキシーを起こす可能性の高い患者が常備するもの。
そして医療機関へ搬送されるまでの間に症状の悪化を防ぐ役割があるということですね。
ここでなぜ山のガイドさんが持たされているかがおわかりいただけたと思います。「ハチ刺傷」の経験が一度でもあるとアナフィラキシーを起こす可能性があるからです。
山の中では救急要請しても時間がかかりますし、実際ハチに刺されてお亡くなりになる方が毎年一定数いるのも確かです。
林野庁では、国有林で働く職員を対象にエピペンを導入しているのだそう。
あと多いケースでは、子供はアナフィラキシーを起こしてしまうようなアレルギーを持っていることが多いので、学校の先生や保育園などの先生も、知っている方が多いようです。
子供は特に自分で打てないこともあるため、研修を受けた教職員であれば、自己注射可能なエピペンを注射することは問題ないそうです。
ということは、小児科の看護師さんはよく目にしていたかもしれませんね。
見た目はこんな感じです ⇩ こちらは0.3㎎(体重30kg以上の人用)の規格のものですが、0.15㎎(体重15kg以上30kg未満の人用)のものも色違いであります
引用元:アナフィラキシー補助治療剤 エピペン 「エピペンについて エピペンの仕組み」より
エピペンの使い方
こちらで ⇒エピペンの使い方の動画が観れるようになっていますので、知らない方は医療者としてぜひ一度ご確認いただければと思います。
10分ほどの動画で、使い方から注意点まで詳しくわかりやすく紹介されています。
患者さんご自身でも、家族でもいざという時に効果的に、また簡単に注射出来るよう、とても工夫されていることがわかります。
エピペンを携帯する生活
エピペンを常備する人とは
エピペンの処方を受ける人は、アナフィラキシーの既往があり、症状の進展が早く時間的な猶予がない人、致死的なアナフィラキシーを経験されている人、近隣の医療機関が遠く緊急時にすぐに対応してもらえない人などになります。
そして処方は全ての医師が出来るわけではなく、研修を受けた医師しか出来ないそうです。ちなみにこれも知りませんでした💦
事前に処方可能か確認するのが一番ですが、比較的皮膚科医や小児科医であれば処方可能な医師が多いようです。
ちなみにエピペンの処方にかかる費用は保険適応で3000円ほどです(薬剤費のみですが。)。
エピペンが打てる人とは
これはまず本人、家族、子供であれば研修を受けた学校の教職員や保育士など、国有林の職員も打てることになりますね。また救命救急士も打て、もちろん医療者もです。
この注射を打つ時は、緊急時になると思いますので、出来るだけ多くの人が打てた方(対応出来た方)が良いとは思います。
但し、自費購入も可能なようですが、処方はやはり医師でなければ(しかも限定されている)出来ないため、安易に手にすることは出来ません。
エピペン禁忌事項と使用上の注意点
エピペンの禁忌
基本的にはなしということになっています。
アナフィラキシーは致死的な状態になる可能性があり、迅速な救急処置としてアドレナリン投与が必要とされるという点から、アナフィラキシー治療時に患者の急な容態の変化にも対応できる体制下においてアドレナリンを使用することは、リスクを考慮しても許容できると判断されたため、改訂に至ったと製薬会社が示しています。
こういった理由からもエピペン注射後は直ちに医師による診療を受ける必要があるということになっているのだと思います。
エピペン注射後は揉む?揉まない?
エピペン注射後に注射部位を揉む必要はないそうです。
但し、 エピペンは筋肉注射なので、エピペンを抜いた後は 20-30 秒ほど注射部位をよく揉むと効果発現は早くなると予想されるという意見もあるため、
「どちらでもいい」というのが答えになるでしょうか。あくまで予想なので、「少しでも早く」と思うのであれば揉んでもいいでしょうし、揉まなくても効果は出るということですね。
ちなみに洋服の上からでも注射可能だそうです。
医療者として
先ほど、子供にアナフィラキシーを発症するようなアレルギーが多いと書きましたが、子供の場合、もしエピペンを持っていたとしても必ずしも自身で注射が出来る状況にあるとは限りません。親が近くにいるとも限りません。
そういった場面にたまたま遭遇することもあるかもしれません。医療者として、そんな時に迅速に対応出来るよう常日頃からアンテナを張っておきたいものです。
乳児期に発症した食物アレルギーの場合は、専門医のもとで適切な医療を受けることで、3歳頃までに5割、小学校入学頃までに8〜9割の人が治るといわれているそうですが、なんらかのアレルギーをもった子供の割合は4割にも及ぶそうです。
必ずしも全員がアナフィラキシーに移行するとは限りませんが、割合が多いことは確かです。
そして特にアナフィラキシーは大人、子供に関わらず進行が速いため、疑った時は一刻も早く対応したいものです。
病棟で勤務していた頃に、他のスタッフが担当していた患者さんでしたが、抗生剤の点滴投与後に○停止で発見されたことも実際ありました。
一番アナフィラキシーの怖さを実感した時でした。
アナフィラキシーを起こしたアレルゲンや患者によっても異なるようですが、○停止に至るまでの時間は、薬物で5分、蜂毒で15分、食物で30分程度と言われています。
これを見ると余計に恐ろしく感じますが、どれだけ迅速に対応しなければならないかがよくわかりますね。
患者さん本人に関しては、なるべくエピペンを常備していることを周りの人たちに伝えておくことも大事な要素になりそうです。そういったこともこちらから発信していけるといいですよね。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました <m(__)m>
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